令和3年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業「特許情報に基づく特許価値の分析と検証に関する調査研究」の最終報告書が公表されました
特許庁による令和3年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業『特許情報に基づく特許価値の分析と検証に関する調査研究』の最終報告書が公表されました。本事業は、特許庁企画調査課を主管とし、
PatentSightから算出される特許価値の推移と
弊社は、今後も政府の技術・知財戦略立案、
<以下、「我が国の企業や政府が目指すべき方向性」より抜粋>
・市場のサイクルが非常に早くなっているために、特許(及び研究開発成果)のポートフォリオも陳腐化しやすい。他方、新規の知財投資に資金を振り向けることが必要である。
・「イノベーション」とは、「研究開発活動にとどまらず、 ①社会・顧客の課題解決に繋がる革新的な手法(技術・アイデア)で新たな価値(製品・サービス)を創造し、②社会・顧客への普及・浸透を通じて ③ビジネス上の対価(キャッシュ)を獲得する一連の活動」とあり、有識者からも同様の意見が多数あった。特許情報に基づく技術的価値にとどまらず、市場情報、政策動向などと組み合わせることにより、事業化をよって当該技術が生み出す経済的価値についても分析することが望まれる。
・我が国の産学官連携によるTR値が他国と比べ低い点に関しては、我が国では大学の事業化意識が低く、事業化につながらない特許が出願されているが、一部の外国では基礎研究の段階から産学官が協働することで、事業化を意識した特許を出願する仕組みが確立している、との指摘が複数の有識者から寄せられた。本指摘について検証を行った上で、事業化等を通じて質の高い成果を社会へ還元するための産学官連携や知財戦略支援の在り方を検討することが望まれる。