「コンバーテック」誌の連載記事『今さら聞けない!DXのキホンの「キ」』第11回が発行されました
加工技術研究会の月刊誌「コンバーテック」にて新連載「今さら聞けない!DXのキホンの『キ』」の第11回が掲載されました。
「今さら聞けない!DXのキホンの「キ」」
第11回 SXの実践に向けて「ダイナミックイパビリティ」を身につけよう
<以下、前書きより>
前号(5月号)の第10回「『SX』ってなに?「DX」の親戚?」では、SXの基本的な考え方と、SXに取り組むためのポイントを解説させていただいた。簡単に復習させていただくと、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは、「持続可能な変革」を意味し、「企業のサステナビリティ(企業の稼ぐ力の持続性)」と「社会のサステナビリティ(将来的な社会の姿や持続可能性)」の両立を図る経営指針のことである。後者の社会のサステナビリティとは、社会や環境がより良い状態で持続するよう配慮する企業の姿勢を指す「ESG」に置き換えることもできる。
ESGは昨今よく使用される言葉なのでご存知の方も多いと思われるが、“Environment” (環境)、“Social” (社会)、“Governance” (ガバナンス)の頭文字を取った略称である。気候変動問題や人権問題などのさまざまな課題が山積みになっている現代、企業が長期的に成長するには、ESGに配慮する姿勢が必要とされている。現代は、社会やビジネスでの変化が激しく未来の予測が困難な、VUCA時代(ヴーカ時代:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))と言われている。そんな時代において企業価値を維持・向上させて生き残るために有用な戦略指針として、SXが注目されているのである。
DXとSXはどちらも、企業が生き残っていくための変革である点では同じである。ただ、DXは現在のあり方を変革し、競争力を早期に獲得することを目的とするのに対し、SXはDXにESGの視点を加え、中長期的な経営安定化を目指す点が異なるといえよう。DXを戦略的に積み上げた先にSXが実現するとも言え、両者は相反するものではなく、どちらかだけに取り組めば良いというわけではない。具体的には、「DXによって業務課題が解決し、結果的に社会課題の解決に寄与する」「SXの実現にはデジタル技術が不可欠」という双方向的な関係性にあるといえるだろう。この2つの視点を組み合わせて戦略・施策を考え、並行して変革を進めるのが最良の方法である。
参考HP:
コンバーテック 2023年6月号