「コンバーテック」誌の連載記事『今さら聞けない!DXのキホンの「キ」』第8回が発行されました
加工技術研究会の月刊誌「コンバーテック」にて新連載「今さら聞けない!DXのキホンの『キ』」の第8回が掲載されました。
「今さら聞けない!DXのキホンの「キ」」
第8回「バリューアップのDX」を実現する「デジタル産業宣言」
<以下、前書きより>
前号では、2022年7月に経済産業省から発表された「DXレポート2.2」を引用し、我が国産業が目指すべき方向性としての「バリューアップのDX」について解説させていただいた。「バリューアップのDX」とは、『新規デジタルビジネスの創出』や、既存ビジネスであっても『デジタル技術の導入による既存ビジネスの付加価値向上』を指している。一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査報告書2022」によると、IT予算配分のなかでは、Run the Business予算(既存ビジネスの維持・運営のための予算)の割合が80%近くを占めており、多くの企業では、まだ効率化への取り組みが中心であり、お客様への新たな価値の創造を目指す「バリューアップのDX」については成果の出ている企業はまだ少ないとの報告がなされていた。
しかし、今後はDXによっていかにプラスの付加価値を上げていけるかがDXの主戦場になっていくことは間違いない。その際、手段としてのテクノロジーやデータを活用しながら、事業そのものや組織の変革によって「その企業ならでは」の価値を作り出していくことが、まさに「バリューアップのDX」である。そして「その企業ならでは」とは独自性や自社らしさであり、他社にはできない独創的な変革を実現することで顧客にとっての新しい価値を生み出すことになる。「効率化のDX」が“守り”のDXであるならば、「バリューアップのDX」は“攻め”のDXであるといっても良いだろう。
「DXレポート2.2」では、「バリューアップのDX」が進まない原因のひとつとして、「サービスの創造・革新(既存ビジネスの効率化ではない取組み)の必要性は理解しているものの、目指す姿やアクションを具体化できていないため、成果に至らず、バリューアップへの投資が増えていかないのではないか」と分析されており、具体的なアクションを提示することを同レポートの目的に据えている。「デジタル産業宣言」は、その具体的なアクションを実現するための施策として提示された。「DXレポート」と「DXレポート2」の2つでは、レガシーシステムやレガシーな企業文化からの脱却に重点を置いていた経済産業省であるが、「DXレポート2.1」ではさらに進んで「デジタル産業」という、より積極的な企業の未来像を提示した。その未来像を実現するために、具体案として今回新たに打ち出されたのが「デジタル産業宣言」である。今回は、この「デジタル産業宣言」について解説していきたい。
参考HP:
コンバーテック 2023年3月号