「コンバーテック」誌の連載記事『今さら聞けない!DXのキホンの「キ」』第13回が発行されました
加工技術研究会の月刊誌「コンバーテック」にて新連載「今さら聞けない!DXのキホンの『キ』」の第13回が掲載されました。
「今さら聞けない!DXのキホンの「キ」」
第13回 GAFAMも取り組む「GX」で、世界スタンダードを目指そう
<以下、前書きより>
本誌7月号の第12回「『GX』ってなに?また『DX』の親戚が増えた?」では、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」で、我が国企業が長期的に取り組むべき新たなX(トランスフォーメーション)として提唱されているGXをご紹介させていただいた。簡単におさらいすると、GXとは、「グリーン・トランスフォーメーション」のことで、石油や石炭などのCO2排出量が多く、環境負荷の大きい燃料の使用を避け、太陽光発電や風力発電など温室効果ガスを発生させない再生可能なクリーンエネルギーに転換し、経済社会システムや産業構造を変革させて成長につなげることである。岸田内閣は昨年、今後10年のGX推進ロードマップである「GX実現に向けた基本方針」を発表した。また、経済産業省はカーボンニュートラルの実現および社会の変革を見据え、持続的な成長を目指す企業群が連携して官・学とともに協働する場として「GXリーグ」を立ち上げた。GXリーグには、2023年1月末時点で、トヨタ自動車やパナソニックをはじめとした679社の賛同企業が参画している。
業界に依らず、産業界全体の大きなムーブメントになりつつあるGXについて、前回はその基本的な概念と政府の動向を紐解くとともに、DXとの関係を抽象的に解説するにとどまっていたため、今回はできるだけ具体的な事例とともに、個々の企業レベルでの取り組み方について解説を試みたい。
GXが、読者の皆さんがいるコンバーティング業界からほど遠い、ある一部の業界だけの話に留まるものではないことをお伝えするためにも、世界中の政府、産業、消費者社会が成立する上で、もはや切っても切れなくなったGAFAMのGXをご紹介したいと思う。GAFAMとは、「G=Google」「A=Amazon」「F=Facebook(現Meta)」「A=Apple」「M=Microsoft」の頭文字を取った、米国発のジャイアント企業5社を指す呼び名である。政府や自治体は、Amazonが提供するAWS(Amazon Web Service)なるクラウドサービスを使って行政事業を実行し、産業界のあらゆる企業が、Microsoftが提供するOSであるWindowsを活用して事業運営を行い、消費者は、常にAppleが提供するiPhoneでGoogleが提供するYouTubeやMetaが提供するFacebookを使いながら毎日を過ごすようになった。GAFAMの各社が、いずれも社会全体のDXを牽引するうえで本気で取り組んでいるのがGXであると知ったら、我々の誰一人としてGXを無視しながら生きていくことはできないことが分かることだろう。そして、企業の規模の大小を問わず、どの産業においてもグローバル戦略が求められる昨今、スタンダードとなりつつあるGXに取り組み、世界レベルで戦うための基盤を作っていただきたいと思う。
参考HP:
コンバーテック 2023年8月号